クライマックスは天心選手と藤田選手のスピーディーな攻防だった。
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この試合は、RENA選手の試合と共に、CM等で大々的に紹介されていたし、実際に見応えがあり、二人の今後も楽しみになる試合だった。
天心選手には、二年前の年末、衝撃を受けた。
MMAデビュー戦で、完全に腕を伸ばされたのに、根性で耐え切って逆転KO勝利。
さらにリング上で二日後の試合を要求し、きっちり一本勝ち。
勝って期待に答えるだけで無く、周りの想像を超える結果を出す。
覚悟と才能を持った人間が、時代の波に乗る瞬間を見れた気がして、興奮した。
格闘家は、試合で、リングの上で、魅せる事が一番大事だと思う。それが出来ない選手は淘汰されるし、それが出来る天心RENAはスターだと思う。
でも、もっとRENA選手や天心選手以外にも、スポットライトを当てて、感情移入出来る選手を増やして欲しいと思った。
自分は、無敗の天才に、そのまま感情移入する事は難しい。
山本美憂選手や川尻選手の様な、いくつも負けて、悔しい思いをして、それでも這い上がって来た選手の姿に、勇気をもらっているからだ。
『昔の功績や、知名度の高さで、いきなり地上波の試合に出れるだけ』というバッシングも、彼らは分かっていると思う。
それを受け止めた上で、その環境を利用してやる、そういうしたたかさも持って、リングに上がっているのでは無いだろうか。
ただ試合を見るだけでは無く、試合にたどり着くまでの物語に思いを巡らせながら格闘技を見ていたい。
